日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2024年3月19日あなたの過去の経験は、話のネタの宝庫です!


★この質問にすぐに答えられますか?


突然ですが、あなたにお尋ねします。

あなたが子供の頃の思い出を1分程度で話してください、と言われたら、話すことをすぐに思いつきますか?

すぐに話すことを思いつく人もいるでしょうし、考えても話せることがなかなか浮かんでこない人もいるのでしょう。

あなたはどちらでしょうか?


★過去のことはなかなか思い出せない


先日の話し方教室で、講師が受講生に上の質問をしていました。

それを聞いて私も「どんな話ができるかなぁ・・・」と考えてみました。

ところが、しばらく考えても人前で話せるような思い出が浮かんできません。

ちょっと驚きました。

でも、話せるような思い出が全くないことはないはずです。

子供の頃の思い出は確実に私の中にあります。

「よし、5分間、真剣に考えてみよう!」

そう決めて思いだしてみると、次第に色々なことが思い出されてきました。

  • 小学一年生から四年生まで日が暮れるまでソフトボールの練習をしていた

  • 毎年、両親と夏に山陰地方に海水浴に行った

  • 春には田んぼで、きれいな夕日を見ながらレンゲの蜜を吸った


私はこの時、(ああ、私は自分のこと、ちゃんとわかってなかったなぁ。自分の中のネタ探し、してなかったんだなぁ)と思いました。

子供の頃のことは普段ほとんど思い出すことがありません。

なので、私の記憶の中のかなり奥の部分に眠っていたので、思い出すのに時間がかかったのでしょう。

そう考えると、昔のことをすっかり忘れているのは私だけでなく多くの人もそうなのでは、と思います。

 

★過去の経験を話のネタにする


子供の頃から今までのエピソードや好きだったことなどの記憶を呼び覚まして、いつでも取り出せる様にしておけば、より具体的に自分のことを話すことができます。

話し方教室では、話のネタを体験談や見たもの、聞いたもの、読んだものから探しましょうとお伝えしています。

特に経験談は、ストーリー性があり実体験していることなのでとても話しやすいし、聞き手にも興味を持って聞いてもらえます。

また、自分の中に隠れているエピソードやその時に感じたことなどを掘り出してまとめておけば、自分への理解も深まるでしょう。


★過去の一場面を切り取る


なお、この際に意識して欲しいことがあります。

それは過去の一場面を切り取る、ということです。

自分がこういうことをしたときに、相手はこういう態度を示した、それに対して自分はこのようなリアクションを取ったなど、具体的に思い出して整理して欲しいのです。

人の特性は一瞬の言動に如実に表れるからです。

その一瞬の言動を捉えれば、非常に具体的に自分の特性を捉えることができるのです。

 

例えば、次のような思い出があるとします。

  • 中学の時、剣道部に所属していた

  • 練習するとその分上達するのが嬉しくて、かなり真剣に練習に取り組んだ


これでも話のネタになりますが、できればもっと具体性が欲しいところです。

  • 中学の時、剣道部に所属していた

  • ある日、全部員で勝ち抜き戦があった

  • 私は7人に連続して勝った先輩と当たることになった

  • これまでの試合、先輩は動き続けているうちは動きが早いが、動きを止めた後、動き出すのが少し遅いように感じた

  • そこで、先輩との試合が始まっても私はしばらく動かなかった、先輩も動きを止めた

  • その後、私がすばやく面を打つと先輩はその動きに追いつけず、一本を取ることができた

  • 待っている間も試合の様子を観察し、考えたから勝つことができたのだと思う


このように一場面を切り取って話す方がわかりやすいし、興味を持って聞いてもらえます。

また、最後の文のように、自分がそこで感じたことや考えたことを加えると、グッと聞き応えがある良い話になるのです。

こうして話のネタをストックしておけば、就職面接などの場でも活かすことができます。

それ以外にも、人生における様々な岐路で、悔いのない判断ができるようになることでしょう。

ぜひ時間をかけて、ご自身が経験されてきたエピソードの一場面を思い返してみてください。


★話のネタ探しや組み立て方を学びましょう!


日本話し方センターの話し方教室では、上に書いたような過去のエピソードをもとに、人が興味を持って聞いてくれる話しにする具体的な方法を、話の組み立て方や話し方など話に関するあらゆる側面からアドバイスしています。

ぜひベーシックコース2日間集中コースを受講して、ご自身を再発見してください!
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